ご機嫌いかがでございますか。長谷川規夫でございます。
UH-1J多用途ヘリコプターの搭乗の機会がありましたのでご紹介します。
当初は2025年11月1日が予定されていましたが、前日の予報の時点でかなりの荒天が予想され、早々に中止順延の連絡があり、翌2日の実施となりました。
さりとて、2日も晴天というわけではなく、時折小雨ぱらつくような状況だったのですが、これはこれで功を奏するというか、写真的には「禍福はあざなえる縄のごとし」といった趣だったのですが、それはまたあとで写真をご紹介します。
ブリーフィング(全般説明・安全説明)

搭乗に先立って、丘珠駐屯地の概要に関する説明と、搭乗にあたっての安全上の注意事項の説明がありました。
旅客機でシートに備え付けられている「安全のしおり」などは存在しないため、事前に説明を受けるという形になります。
また、予定する飛行経路や高度・速度なども説明があり、
経路は
- 札幌飛行場から真駒内方面に飛ぶ「南ルート」(奇数組フライト)
- 手稲・石狩方面に飛ぶ「北東ルート」(偶数組フライト)
の2つあること、予定するフライトの内容は
- フライトタイム 10分
- 飛行距離 30km
- 速度 約160km/h(たぶん87knot)
- 高度 約600m(たぶん2000Feet)
であることが説明されました。
自分は2組目のフライトの2番機なので、手稲・石狩方面へのフライトとなりました。
もっとも、フライトプランとしてはこういうことだ、という話であって、天候によっては必要に応じてルートを変更したりすることになるわけです。
搭乗した機体
今回は北部方面航空隊 第2ヘリコプター航空隊のヘリコプターにお世話になります。


画像はそれぞれ1回目のフライトを終えて戻ってきた(スポットインの)様子を捉えたものです。
搭乗直前、眼前で着陸するところを撮っていたんですが、ヘリのローターが生んだ風がかなり強烈に吹いてくるので風に耐える姿勢をとったり、立て膝の姿勢をとらないと上半身が揺れてブレボケ連発になること請け合いです。
搭乗〜離陸
ヘリには、管制塔(運航事務所)前のスポットから搭乗します。

運航事務所の建物の壁には“FLD ELV 26FT”とあります。Field Elevation 26 Feetの意味で、札幌飛行場の標高が26feet(約8メートル)であることを示しています。
標高というのは飛行機の性能に影響を与えるものなので、非常に重要な情報です。
旅客用の空港ではまずこのように大々的な表記を見かけることはありませんが、表示されていないだけで標高というのはきっちり測定されて情報として提供されています。(AIP=航空路誌内で確認できます)
余談ですが、出発する頃の気象状況(METAR)はこのような状況でした
RJCO 020020Z VRB01KT 9999 -SHRA FEW015 SCT020 BKN045 07/06 Q1005 RMK 1ST015 3CU020 6CU045 A2968
札幌飛行場 2日20時(協定世界時) 風向き不定、風速1ノット 視程10km以上 1500ftに少しの雲 2000ftに散在する雲 4500ftに隙間のある雲 気温7℃、露点6℃ QNH1005ヘクトパスカル(RMKS以降省略)

搭乗したところですが、ここから先は説明もいらないでしょうから、画像でお楽しみください。







計器盤を出しちゃダメとか撮っちゃダメと言われなかったので、フライトデータに関するところだけご紹介しましょうか。
丸いメーターの上にあるデジタル表示、ここには「GS 066KT」とあります。GSはGround speedの略で対地速度、地面に対しての速度を示します。
針式のメーターの一番左は対気速度(空気に対する速度)を示しています。およそ90KNOTS(90ノット)ですね。
その右隣は水平儀、機体の姿勢を示すものです。正面から見ていないので正確なことは言えませんが、前後左右の傾きなくキレイに飛んでいるようです。
さらにその右隣(最右)は気圧式の高度計になります。太い針が千の位、中ぐらいの太さ針が百の位を示していますから、これだと1180Feetぐらいということになります。また、気圧式の高度計なので、大気圧の状況によって補正が必要になります。この補正値を示しているのが、2と3の間にある細かい数字です。


個人的には今回の目玉といった感じの画です。
このあと、虹を背に丘珠駐屯地に戻りまして、RWY 32で着陸します。


着陸後、ハンガー内で静止した機体の見学ののち、駐屯地史料館の見学をして解散となりました。
なにせフライトタイム10分と言われていたので、「どこまで、何が撮影できるかな?」と思いながらの搭乗でしたが、「虹とUH-1」の図が撮れたので言う事はありません。
これが奇数組のフライトだと虹に向かって飛ぶという経験はできませんでしたし、1番機搭乗だと先行する機体をAir to Airで撮るということもできなかったので、幸運なフライトだったと思います。
余談ですが、2番機機内では一切管制塔との交信がなかったように記憶します。編隊飛行の場合は複数機まとめて1機という扱いで、1番機のみが通信するという形なんですかね。
搭乗記念(搭乗証明書)

解散前には丘珠駐屯地広報室お手製の搭乗証明書(名刺サイズ)をいただきました。
ということで、毎度とりとめのないリポートとなりますが、UH-1J体験搭乗についてお伝えしました。
では、今日はこんなところです。





