ご機嫌いかがでしょうか。長谷川規夫でございます。
昨日に引き続き、北部方面航空隊創隊・丘珠駐屯地創立72周年記念行事 車両編をお送りします。
救急医療搬送車(CAB所属)
CAB……国土交通省 航空局、Civil Aviation Bureauの略でCABといいますが、つまるところ、空港としての丘珠に配置してある国土交通省の車両です。
今回の丘珠駐屯地の記念行事は、エキシビションフライトでも道警航空隊や道庁の防災ヘリが出てきましたが、車両の紹介でも民間航空側の機材の展示・紹介がありました。
名称こそ「救急医療搬送車」ですが救急車ではなく「墜落事故などの航空機事故が発生した場合、現場へと急行し負傷者や治療を行う救護所の設営を支援するための作業車です。医薬品や酸素吸引器・点滴・担架などの各種医療機材を搭載」しているそうです。(リンク先は架装メーカー坪井特殊車両の当該説明のページ、記述もリンク先ページから引用)
ただ、リンク先で紹介されている車両よりはるかに規模が小さいものに見えます。いままで就航している機体は50人乗り程度の小型機ばかりだったということもあるでしょうが、今後空港の拡張(滑走路延伸)がなされ、より大きな機体が就航するとなるとより大きなものに更新も必要になるのかな、と思います。
CAB所属 救難照明車
同じく航空局の救難照明車です。
発電容量は失念しましたが200Vの発電機を搭載しており、照明はLED照明。夜間の救難活動の際に使用するものだそうですが、先述の救急医療搬送車と共に、「備えは重要だけれども、活躍しないに越したことはない」車両ですね。
重レッカ(救難用レッカー車)
真駒内でも出てきましたが、丘珠では実際に操作してブームを伸ばしたりしてくれました。
こちらでは主に航空機事故の際の救難に用いるそうで、小型の飛行機であれば滑走路を逸脱して擱座していても吊り上げて救助(撤去)することが可能だそう。
たしかに、定格10トンのクレーンなので4000kg(4t)ぐらいのキングエア300(LR-2)やセスナ機は余裕で持ち上げられそうです。
この車両も飛行場で活躍しないに越したことはないですね。
空港除雪車いろいろ



冬の飛行場になくてはならない除雪車3種です。
使用する順番としては、高速除雪車で雪をかき寄せ、かき寄せた雪をスノーマスター(ロータリー式除雪車)で遠くに飛ばし、スノースイーパーで滑走路・エプロンの路面を露出させる、という順になるそうです。
スノースイーパーのブラシ(ささら)はてっきり竹でも使ってるのかと思いきや鉄ワイヤーだそうです。
航法援助装置 JMRN-A3(1 1/2tトラック)
1 1/2tトラックにTACAN(TACtical Air Navigation system=戦術航法装置)と各種の無線機、発電機等を搭載したもので、場外離着陸場など航法支援装備が常備されていないところに派遣して航空機を誘導できる……ということですが、まあ、管制塔の無線機と民間航空でいうVOR/DMEが搭載されていると思えばいいかな、と。(ちなみにTACANとVOR/DMEの違いは周波数帯、それと測定装置か標識か、あとは単一装置か複数装置の組み合わせかの違いのようです:リンク=国土交通省 JANS)
ペトリオット発射装置・待機車(航空自衛隊)
ということで、真駒内に続いての友情出演、航空自衛隊長沼分屯基地からペトリオットミサイルの発射装置と待機車です。
正確には、真駒内には待機車は来ていませんでした。
この発射装置単体ではなんの仕事もできず、これにレーダー車、アンテナマスト車、射撃管制装置車がセットになってはじめて用を為すとのこと。
で、この待機車とはなんぞやというと、書いて字の如くペトリオットミサイルを運用する隊員さんの待機する車で、冷暖房完備、座るだけではなく3段ベッドになります。
居室のイメージとしては昔の寝台列車……開放A寝台の設置形式で、幅と高さは3段式B寝台といった感じですね。(知らない人にはまったく伝わらない表現ですな)
寝台定員は24名。トラックの荷台の箱に通路とベッドが作り付けられていることから、ベッド幅も狭く、空自の隊員さん曰く、1人あたりの長さも結構短いので、身長が高い隊員さんは膝を折って寝たりするそうです。あと、3段ベッドってところがミソで、寝台の中で体を起こすのは困難な高さになってます。
またベッドにしてはクッション不足なので、寝ていると腰や首が痛くなったりするので、結局寝袋を持参したり、上着を折って枕代わりにしたりするとかなんとか。
とはいえ、陸上自衛隊の隊員さんからすると結構垂涎の的だそうです。冷暖房完備ですし、テント張らなくていいですしね。
しかし、車両の色……このペトリオット発射装置・待機車ともにOD(オリーブドラブ)色と言われていますが、先の「航法支援装置車」と比較すると一目瞭然ですが、陸上自衛隊のOD色とは全然違いますね。どちらかというと航空自衛隊の車両のほうはオリーブ色といった趣きです。
その他、会場には委嘱式で見せて頂いた救難消防車、北部方面対舟艇対戦車隊の96式多目的誘導弾システム、国土交通省北海道開発局の無人ヘリ(今風にいうとドローン)などがありましたが、省略。(撮ってあるものの、人が多数映り込んでWeb掲載向きではなかったため)
では、今日はこんなところです。
次回は最終回(予定)「情景編+おまけ」です。